1960年代にはたいていの大企業が職能資格制度を採用するようになったため、これが日本らしい人事管理の中核となったのである。しかしこの職能資格制度には、大きな問題点があった。構造的に人件費が上がっていくという問題である。職能の背景には、色濃く「熟練」の発想がある。技能は長い経験によって熟達するものであり、その職務を長く経験することで職能が高まるという考え方である。それを前提とすると、職能が高まるには
職能資格制度を採用するように... の続きを読む
新聞で取り上げていた例でいうと、SさんはSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)という形態でシステムエンジニア(SE)をやっている女性なのだが、そのSさんの仕事でも最近は国際競争が激化している。SさんはSEという専門職だから、在宅勤務で好きな時間に、好きな量だけ仕事ができる環境は自分にとって都合がよく、とても気に入っていた。クライアントは外資系。仕事の選択肢も広かって、最初は順調だったという。
グローバリゼーション社会では外国人もライバルに... の続きを読む
不況下の悲観的な見通しの中で、日本の多くの大企業は再び横ならびでコスト削減のためのリストラクチュアリングに取り組んだ。投資の固定費などの借金は返さないわけにはいかないが、そこで企業が焦点を合わせたのがいまひとつの大きな事実上の固定費である人件費である。日本の多くの企業、とりわけ製造業の企業は一九七〇年代の石油危機以降の産業調整、構造調整の過程で徹底的な減量経営による効率化を進めてきており、生産工程
コスト削減のためのリストラクチュアリング... の続きを読む
残業規制から始まって、中途採用や新規採用の削減や停止、配置転換や出向や一時帰休というように、そして直接の人員削減そのものも、自然減からはじまり、早期退職や希望退職を募るというように、既存のパターンを忠実になぞったものだといってよい。そして現在、このようなパターンの最後の局面にあえいでいる。なるほど、その規模においても期間においても、現在の雇用調整は過去最大であり、その対象はホワイトカラーとりわけ中
若年層と高年層の雇用の悪化... の続きを読む
以上が、若者がわがままになった理由だ。若者の意志でそうなったというよりは、そういうアクの強い人間しか勝ち上がれなくなったというほうが近い。だがそれだけでは、彼らが企業という列車を降りることへの説明としてはまだ不十分だろう。たしかに、予想と違ってつまらない仕事に嫌気が差し、ぷいと辞めてしまう人間もいるにはいるだろう。だが、少なくとも過去数十年の間は、彼らの先輩たちは文句一つ言わずに働き続けてきた(腹
なぜ、企業に見切りをつけるのか... の続きを読む
パートタイム労働者の低賃金を自立した生活が可能な水準に引き上げ、男女の性役割と格差の解消に寄与する効果が上がったかといえば、重大な疑問がある。これによって、むしろ正社員の方が働き方を問われ、「仕事と家庭の両立」をはかるために転勤や残業に応じられなくなれば、それを理由に、パート社員並みの処遇を選択させられるなど、正社員のパート化の流れを生み出している。フルタイムで「仕事と生活の両立型」の“中二階”の
男は仕事、女は仕事と家庭... の続きを読む
正社員の一般的な賃金は(成果主義が広がってきているとはいえ)職能資格給であり、勤続年数が重要な意味をもっている。職務の内容に応じて給料が算定されることにはなっていない。これに対して、パート社員には、通常、職務の内容に応じた職務給が支払われる。つまり、正社員とパート社員では給料の決め方が異なっているのである。そうすると、両者を比較して「均衡」ということはできないはずである。両者の比較可能性がそもそも
正社員の一般的な賃金... の続きを読む
大学三年生の夏にインターンシップに挑戦することが当たり前になった状況は、学生にとっては歓迎すべきものだ。社会で活躍するために必要なことは何なのかに気づき、そして、将来あのような大人になりたいというキャリアターゲットとの出会いを得た学生は、その時から行動が変わり、成長が始まる。大学で学ぶ姿勢も変わってくるし、課外活動への取り組みも変わる。近年、会社や仕事についてさらに深く知りたい学生のために、「オー
大学三年生の夏にインターンシップに挑戦する... の続きを読む
「個人を見る」という傾向は、学校推薦を受けている学生の就職活動についても共通している。昔は学校推薦といえばまず落ちることはないという安心感があったが、今となっては上位クラスの国立大学の大学院生でも、学校推薦を受けている学生の四人に一人しか内定していない。企業社会にこのような現実がありながら、子供を育てる家庭の意識の変革は遅れている。いまだに「お勉強ができればいい会社に入れる」と思っている家庭と、「
就職に関しては親の意見は注意して聞く必要あり... の続きを読む
「まったく迷いはなかったです。私のためにつくってくれた制度だと思ったくらい(笑)」応募は全部で二三八件あった。K氏の事業計画は一時選考、二次選考をパスし、最終選考(役員へのプレゼンテーション)に残ることができた。当時所属していた資材部では部長始め、全員が応援してくれた。上司のアドバイスを参考に、プレゼンでは次の三つの切り口を強調した。
(1)これからのNECはいかに社会貢献するかが大きく問
上司のアドバイス... の続きを読む
どんな正社員・非正社員が誕生するのか。まず、正社員の場合から考えてみよう。第一に、ユニクロのファーストリテイリング社が行っているような「短時間正社員」「勤務地限定正社員」など、働き方の自由を確保した上で正社員として仕事を続けるという制度である。第二に、「一般職」「総合職」のように、あらかじめキャリアコースを限定する働き方である。一般職の場合には転勤がない一方で、ボーナスなどの特別給は支給されず、給
非正社員も質の向上が求められる... の続きを読む