1960年代にはたいていの大企業が職能資格制度を採用するようになったため、これが日本らしい人事管理の中核となったのである。しかしこの職能資格制度には、大きな問題点があった。構造的に人件費が上がっていくという問題である。職能の背景には、色濃く「熟練」の発想がある。技能は長い経験によって熟達するものであり、その職務を長く経験することで職能が高まるという考え方である。それを前提とすると、職能が高まるには一定の時間がかかることになり、しかも一度上がった職能は基本的には落ちないということになる。
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そのため、どうしても職能と年齢が比例することになって、結果として年功序列を形成することになったのだ。また、企業業績が上がらなくとも技能は高まっていくため、企業収益が毎年増加していくということでなければ、人件費の負荷が勝手に高まってゆくということになるのである。