不況下の悲観的な見通しの中で、日本の多くの大企業は再び横ならびでコスト削減のためのリストラクチュアリングに取り組んだ。投資の固定費などの借金は返さないわけにはいかないが、そこで企業が焦点を合わせたのがいまひとつの大きな事実上の固定費である人件費である。日本の多くの企業、とりわけ製造業の企業は一九七〇年代の石油危機以降の産業調整、構造調整の過程で徹底的な減量経営による効率化を進めてきており、生産工程の労働力配置はすでに極限まで合理化されている。
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そうした効串化の努力によって石油危機後の構造調整や円高を乗り切ったのである。したがって生産工程の労働力にはもう合理化すべき余地はそれほど残されていない。企業の合理化の焦点はしたがってこれまでそれほど合理化の対象とならなかったホワイトカラーに向けられた。それもバブル時代に無理して採用した若年層は将来の労働力不足を見越すと手をつけたくない。そこで関心は中高年ホワイトカラーに注がれる。とりわけ中間管理層になっているホワイトカラーは給与が高いので合理化のしがいがあるし、また、彼等の合理化に対しては労働組合もそれほど文句を言わないのでやりやすい。こうした背景から産業界の横ならびリストラ現象の中で、ホワイトカラーの中年層、とりわけ管理者層がその焦点となることになったのである。