就職に関しては親の意見は注意して聞く必要あり

2011.12.09

「個人を見る」という傾向は、学校推薦を受けている学生の就職活動についても共通している。昔は学校推薦といえばまず落ちることはないという安心感があったが、今となっては上位クラスの国立大学の大学院生でも、学校推薦を受けている学生の四人に一人しか内定していない。企業社会にこのような現実がありながら、子供を育てる家庭の意識の変革は遅れている。いまだに「お勉強ができればいい会社に入れる」と思っている家庭と、「入社後に新たな価値を生めるだけの人間としての力があるか」を見ている企業の間の意識のギャップが、学生の就職活動を難しくしている大きな原因である。

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大学生の両親は四十代後半から五十代の人が多いだろう。その人たちが大学受験をしたのは三十年近く前の話であり、さらに遡って、この人たちが自分たちの親(つまり大学生の祖父、祖母)から人生の価値観を刷り込まれたのは四十年以上も前の話である。その頃の日本は高度成長の真っただ中で、敗戦後の復興からいよいよ世界に飛躍しようとしていた時期である。まったくの成熟社会、価値観の多様化した低成長社会になってしまった今の日本とは、まるで違う文脈の下で育ってきた人たちなのである。親は自分の成功体験を子供に投影したがるものだ。「自分はこうやってきた。それで今の私がある。だから子供にもそうさせたい」と考える。私にも子供がいるので、そう思う気持ちは痛いほどわかるが、四十年前の成功体験が今の時代に通用すると考えるのは、どうみても無理がある。ここまで育ててくれた両親に感謝する気持ちを忘れてはいけないが、こと就職に関しては、親の意見は注意して聞く必要がある。




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